こんにちは。投資をする上で最も不可欠なパートナーである、証券会社はどこを選べば良いのでしょうか。新たに投資を始める人、投資を始めたい人、今の証券会社に不満がある人などを対象に、証券会社の選び方を解説します。簡単なYES/NOチャートを用意したので、それを使えば最適な証券会社のタイプを割り出すことができます。
証券会社は大きく分けて2種類
まず、一口に証券会社といっても、リアル店舗を持っている「店舗型証券」とリアル店舗を持たないオンラインだけで証券取引サービスを行う「ネット証券」に二分することができます。
また、店舗型も、野村證券、大和証券、SMBC日興証券といったいわゆる大手証券会社、岡三証券などの準大手、中小型株に強いいちよし証券などの中堅、そして中小の証券会社が無数にあります。
証券会社の数は、日本証券業協会に加盟している企業に限定すると269社(2021年2月時点)あります。資本金100億円以上(30社)から5000万〜2億円未満(50社)までその規模はまちまちです。
店舗型証券を選ぶメリットとデメリット、こんな人が向いている
ここからは店舗型証券を選ぶメリット、デメリット、どんな人が店舗型に向いているのかを順を追って解説していきます。
店舗型証券のメリット | 店舗型証券のデメリット |
実際に相談できる | 営業の電話がうるさい |
担当の営業マンがつく | 手数料が高い |
多様な金融商品を提案してもらえる | 顧客の利益を追求しているかはわからない |
投資以外の相談もできる |
店舗型証券を選ぶメリットとは
店舗型証券を選ぶメリットは、なんといっても対面で直接相談ができることです。また、担当営業マンがつくので、その人からめぼしい投資情報を得ることができます。自分では考えもしなかった投資法や投資先を提案してもらえるかもしれません。これは大きなメリットです。また、大手以外を選ぶ場合は自宅近くに店舗があることも選ぶ基準となるでしょう。また、投資以外の相談をすることもできますし、言い方はアレですが、話し相手になってもらうこともできます。私も近所の喫茶店や蕎麦屋さんで、コーヒーを飲みながら、投資半分、愚痴半分の話を延々と聞かされている担当者をよく見かけます。高齢者の方などはこの方がいいかもしれませんね(この営業マンの相談時間も奢ってもらったコーヒー代も投資コストに含まれるわけです!!)
次に店舗型の中でも、大手証券会社を選ぶメリットとして、IPO(新規公開株)銘柄に強いという特徴があります。IPOは初値売却でも利益が出やすい銘柄もあり、そうした銘柄はなかなか当選することが難しいです。ところが、IPOする際に、上場予定企業は主幹事を決めるのですが、これを大手証券が担うことが多いのです。その結果、割当IPO株を多く持っているので、その証券会社を使っている人は当選しやすいというわけです。野村証券が近年のIPO実績では最も多いです。
ただ、IPOは基本は抽選となりますので、複数会社の証券口座を持って、それぞれ抽選に応募すれば当たりやすくなります。このためにも大量に証券口座を開くのは口座管理が手間ですので、お勧めしませんが、メーンを1つ、サブを1つ持つ分には良いと思います。そうすると、IPO株のためだけに、大手の店舗型をあえて持つ必要性はないともいえます。
店舗型証券を選ぶデメリットとは
逆にデメリットは何かというと、営業の連絡が頻繁にあるということ、そして営業マンを多数揃え、実店舗も運営しているので、取引手数料が高いということが挙げられます。
また、基本的に、営業マンが販売したがる商品は、「自社が儲かる商品」ですから、顧客が儲かる商品とは限らない点に留意する必要があります。したがって、自分で投資戦略を考えるのが苦手という人は、あまりおすすめできません。
店舗型証券はこんな人に向いている
ではどんな人が店舗型、特に大手証券会社が向いているかというと、①近くに営業店舗がある、②営業担当者と頻繁にやりとりしながら、必要な情報だけを取捨選択して、自分の投資戦略実行に実現できる人、③IPO銘柄をたくさん狙いたい、という人になります。もちろん、④投資戦略を自分で考えるのが苦手だけど儲けたい・投資したい、という人も投資成果はどうなるかわかりませんが、店舗型を使ってやるしかないでしょうね。
なお、大手証券会社でもオンライン取引コースがあり、そちらは店舗型よりも手数料が安いです。ただ、オンラインで取引するのに、わざわざ店舗型証券を選ぶ必然性はないので、IPO株をメーンに行いたいという希望がない限りは、選択肢に入れる必要はないと思います。
ネット証券を選ぶメリット、デメリット、こんな人に向いている
次にネット証券を選ぶデメリット、メリット、そしてどんな人が向いているかを書きます。
ネット型証券を選ぶデメリットとは
ネット型証券を選ぶメリット | ネット型証券を選ぶデメリット |
手数料が安い | 相談できない |
いつでもどこでも取引できる | 回線トラブルが起こり得る |
気軽に取引開始できる | |
様々な分析ツールが使える |
デメリットは、ネット証券のメリットの反対です。直接間接含め、担当者がいないので株取引についての相談ができない点です。自分でチャートを見たり勉強しながら、自分で選んで、買わなければならないのです。
また、オンライン取引だけに、まれに回線トラブルが起こる点です。急な値動きを見せている時にトラブルが起こると、深刻な損害(機会損失含め)を被る可能性もあります。
ネット型証券を選ぶメリットは?
一方、ネット証券を選ぶ最大のメリットは、「手数料が安い」ことです。そして、インターネットを使って、取引可能時間に、いつでもどこでもいくらずつでも株式などの金融商品を売買することができる点です。
さらに、デメリットとして「自分で学び、選び、取引しなければならない」を揚げましたが、これは投資を学ぶというメリットにもなります。
また、最大のメリットとも言えるのが、「敷居の低さ」。口座開設の申し込みもすべてオンラインで完結するので、気軽に取引開始することができます。その意味では、ちょっと投資に興味があって、まずは少額からでも始めてみたいという人にはネット証券がぴったりです。
また、ネット証券では、自分で分析できるよう、さまざまなツールを顧客向けに導入している点もメリットです。SBI証券の「分析の匠」、楽天証券の「マーケットスピード2」など、どちらも使い方次第でかなりのことができます。
このように考えると、店舗型は百貨店のような「フルサービス型」、ネット証券はスーパーマーケットのような「セルフサービス型」(ネットなのでEC型と言ってもそれまでですが)であるとも言えると思います。
ネット型証券はどんな人に向いているのか?
すでに書いたように、①まずは気軽に始めたい人、②自分で分析しながら、売買したい時に思うように取引したい人、③自分で投資リテラシーを高めたい人、④自己責任で投資と向き合える人、がネット証券に向いていると言えるのではないでしょうか?
逆に言うと、どうしても実際に相談したい人以外は、ネット型を選べばいいです。国内IPO株を積極的に狙いたい場合は、基本複数口座を持てば抽選に当たる可能性はその分高いので、ネット型を2つ、もしくはネット型と店舗型のオンラインコースを開設すれば目的は果たせると思います。
ロボアドバイザー投資という新しい選択肢
また、投資戦略を自分で決めるのは面倒、もしくは不安だと言う人は、ロボアドバイザー投資をすると、ぐっと不安が抑えられます。例えばウェルスナビは1%の取引手数料がかかります。これは投資をDIYでしている人からすればまあまあ高いと思える水準ですが、金融商品の選定から、資産購入、資産のリバランスまで自動でやってくれるので、投資に対して余計な時間をかけたくない人にはピッタリです。時間を節約する分の価値はあると思います。
ただ、米国株をメーンとする私からしてみると、米国株、日欧株、新興国株、米国債権、金、REITとそれぞれに分散するウェルスナビは、ポートフォリオが複雑なのでは無いかなとは思います。自動でしてくれるのはとても楽ですが、その意味を知らないのはリスクです。
そう考えると、まずは1〜2銘柄だけ投資信託かETFを選び、それを定期で買い続ける方が安心ではないかと考えます。その買い方に関しては、以下の記事を参照してください。
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ロボアドバイザー投資についても本サイトで今後解説していきたいと思います。
YES/NOチャートで何を選ぶべきかわかる
ここではまとめとして、YES/NOチャートを用意しました。
- Q1
- 投資戦略は自分で勉強して決めたい
ご自分の考えに近いものを回答していけば、店舗型かネット型か、何を選べば良いかがわかります。参考にしてみてください。