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高配当だけじゃなく株価も10年で2.3倍!人気ETFバンガードVYMのリターン、配当、購入すべきかをVOOとの比較で徹底分析

2021年4月9日

こんにちは、かぶうさです。前回、VTIとVOOを比較して、どちらを買うべきかについてお話ししました。今回は、 かぶうさも主力の1つにしているVYMをテーマにVTIを比較して、このETFの特徴、リターン、配当、そして購入すべきか、購入し続けるべきか、どんな位置付けにすべきか、について考えたいと思います。

ETFとはExcahnge Traded Fundの略で、上場投資信託のことです。まずETFの詳細と投資信託の違い、そのメリットとデメリットについて知りたいという方は、この記事をご確認してから本記事をお読みください。

VTIとVOOの比較については以下の記事をご覧ください。

VYMは、FTSE High Dividend Yield Index指数との連動めざすETF

「VYM」とはティッカー(日本株式の銘柄コードにあたる、個々の銘柄を区別するためのアルファベットで表された記号)で、正式名称はVanguard High Dividend Yield Index Fund ETF(バンガード・ハイディビデンド・イールドETF)と言います。

VYMは、平均よりも高い配当利回りを特徴とする企業で構成されているFTSE High Dividend Yield Index指数に連動する投資成果を出すことを目的とするETFです。ちなみにHigh Yield Dividendは「高配当利回り」という意味です。

VYMはどんなETFなのか?

では、このFTSE High Dividend Yield Index指数をベンチマークとするVYMはどんな銘柄でどんな特徴があるのでしょうか。VTIと比較しながら見ていきたいと思います。

ティッカー VTI VYM
銘柄数 3669 411
ファンド総資産 $1,100  $42 
上位10銘柄構成比 22.60% 24.10%
外国株比率 0% 0%
経費率 0.03% 0.06%
VTIとVYMの概要

まず、VYMの構成銘柄数は411銘柄となっており、509銘柄で構成されるVOOよりちょっと少ないかなという程度ですが、比較的分散されている銘柄だということがわかります。もちろん、VTIの3669とは比べるまでもありませんが。

また、ファンド総資産もVTI、VOOと比べると圧倒的に少なく、わずか$42billion(420億ドル)しかありません。VTIの実に1/26の規模しかないわけです。

となると経費率も気になってきます。やはり総資産規模が小さい方がスケールメリットが出にくいので、経費率は0.06%とVTIの倍となっています。もちろん、それでも他の多くのETFと比べればVYMの0.06%という経費率は圧倒的に低い水準です。

VYMはどんなセクター構成でどんな銘柄が構成上位なのか

次に、どのような銘柄で構成されているのか、そしてどんなセクターの構成比が高いのかを見ていきます。

セクター VTI VYM
テクノロジー 26.20% 9.20%
一般消費財 16.50% 5.90%
工業 13.80% 10.00%
ヘルスケア 13.30% 13.20%
金融 11.30% 22.40%
生活必需品 4.80% 12.50%
不動産 3.40% -
通信 3.20% 7.70%
エネルギー 2.80% 7.30%
公共事業 2.70% 8.00%
基本素材 - 3.80%
VTIとVYMの構成セクターの比率の違い2/28/2021時点

セクターを見てみると、金融が22.4%と最も多く、13.2%のヘルスケア、12.5%の生活必需品と続きます。テクノロジーの構成比は9.2%で、VTIの26.2%と比べると圧倒的に低いです。また、テクノロジーといっても、VYMが保有するのはGAFAMのような急成長する巨大テック企業ではありません。

VYMで構成されている銘柄は高配当銘柄というだけあって、配当せずに事業投資に回す高成長企業ではないので、比較的成長がなだらかな企業が多いです。前者は配当せずに事業投資に回した方が結果的に将来株主をハッピーにできる一方、VYMを構成する後者は配当や自社株買いに回した方が結果的に株主をハッピーにできる企業が多いと言えるのではないかと思います。

  銘柄 構成比
1 JPモルガン・チェース 3.90%
2 ジョンソン&ジョンソン 3.60%
3 プロクター&ギャンブル 2.60%
4 バンク・オブ・アメリカ 2.30%
5 インテル 2.20%
6 コムキャスト 2.10%
7 エクソン・モービル 2.00%
8 ベライゾン 2.00%
9 AT&T 1.70%
10 シェブロン 1.70%
VYM構成銘柄上位10

VYMの銘柄構成比上位10社を見ていくと、金融セクターの構成比が最も高いだけあって、1位がJPモルガン・チュースの3.9%、4位にはバンク・オブ・アメリカが2.3%で入っています。世界を代表するヘルスケア企業のジョンソン&ジョンソンが構成比2位、そして世界的消費財メーカー(生活必需品セクター)のP&Gが3位となっています。上位10社の顔ぶれを見ても、成長性に欠ける安定した大企業が並びます。

配当利回りは高いが、株価の伸びは?

直近配当利回りを見ていきます。なお、配当利回りとは購入株価に対して、年間いくらの配当金を稼得できるを表した数値です。

計算式は、

配当利回り(%)=1株あたり年間配当額/1株購入価額*100

です。

VTIが1.27%に対し、VYMが2.57%ですので、約2倍の配当利回りを確保していることがわかります。「高配当利回り」ETFだけありますね。

現在VYMの株価はVTIの半分程度です。2021年4月7日時点の株価はVTI が212.06に対しVYMは101.65。逆にいえば、VTIの半分の投資額で同じだけの配当金が得られるわけですが、10年前の株価はVTIが70ドル程度に対し、VYMは45ドル程度ですから、VTIの株価がこの間約3倍に増えたのに対し、VYMは約2.3倍の伸びにとどまっています。

理論株価は、将来に渡って得られるキャッシュフローを現在価値に割り引き直したものの総額です。したがってVYMの構成銘柄の特徴として、配当を重視するゆえに事業投資が限られ、将来株主が稼得できるキャッシュフローが大幅に増えることが見込みづらいとも言えるわけです(=事業成長に投資するより配当の方が株主が得られるリターンが高い、そして配当金には税金がかかるため、効率が悪い)。逆に言えば、安定的で地に足が着いたキャッシュフローを株主が得られるとも考えられます。

ティッカー VTI VYM
直近配当利回り(税込) 1.27% 2.57%
直近配当額(03/25/2021) $0.6716  $0.6564 
年間平均リターン(1年) 62.70% 47.66%
年間平均リターン(3年) 17.13% 10.55%
年間平均リターン(5年) 16.66% 11.40%
年間平均リターン(10年) 8.48% 12.04%
VTIとVYMのリターンと配当利回り 3/31/2021時点

VYMの年間リターンは?

実際、年間リターンを見てみると、

3年平均、5年平均はそれぞれ10.55%、11.40%とVTIの17.13%、16.66%と比べ大きく見劣りします。

次にポートフォリオ・ビジュアライザーを使って2つの銘柄を分析してみます。 2014年4月から2021年4月まで毎月3000ドルずつ購入していき、配当金を再投資に回すと、、

VTI(青)とVYM(赤)のリターン比較はVYMが大きく劣後 by Portfolio Visualizer

VTI(青)とVYM(赤)のリターン比較はVYMが大きく劣後 by Portfolio Visualizer

グラフ上は目盛りの関係上大差なく見えますが、実際の数字はかなりの差が出ています。

VTIが$477,505に対し、VYMは$399,256にとどまりました。

実は2014年、15年はVYMの年間リターンが上回っています。しかし、2017年以降、20年までVYMは大きく差をつけられています。この頃から明らかに潮目が変わっている印象ですね。テクノロジー企業の加速度的な成長の前に、高配当だけでは太刀打ちできない格好です。とくに2020年がそれを如実に物語っています。期待先行で米株式市場全体が急拡大した一方で、VYMはわずかな成長にとどまっているからです。

とはいえ、年間配当金額の推移を見ていくとVYMのメリットがはっきり見えてきます。さすが高配当と言うだけあって、どんどんVITに差をつけ、2020年では2倍近い差をつけていますね。棒グラフの2020年を見れば分かる通り、6年目の2020年には年間1万ドルを超える配当収入を得ることができる計算になっています。

VTI(青)とVOO(赤)の年間配当額の比較(下棒グラフ) by Portfolio Visualizer

VTI(青)とVOO(赤)の年間配当額の比較(下棒グラフ) by Portfolio Visualizer

目に見える配当金のモチベーションは、長く投資を続ける上で非常に重要です。とくに株価が上がりにくい、あるいは下がっている局面で多額の配当金を得られるのは、精神衛生上も非常によろしいと思います。長く持ち続けやすいETFと言えるのではないでしょうか。

そして、7年という中期スパンで見ても、VTIには大きく劣後するとはいえ、平均で10%以上のリターンを出しています。ここも大きく評価できるでしょう。

このように見ていくと、(ETFにしか投資できず、大きなキャピタルゲインを得る機会が少ない)私にとってはVYMに全振りというのはあまり考えられないですが、長く投資を続けるためにもVYMをポートフォリオに加えるのは良い戦略だと思います。

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