経済・マーケット分析

経済・マーケット分析

2022/6/26

米ミシガン大学の期待インフレ率でなぜ株価が大きく上げ下げするのか?

6月25日、株価は大きく反発しました。その理由として挙げられたのが米・ミシガン大学が発表した消費者信頼感調査の中で、「期待インフレ率」が予想を下回ったこと。これによってインフレが天井をつけたとすれば、FRBの金融政策もこれまでの激烈な引き締めが多少緩和することで、利上げペースが弱まり株価にポジティブになるという理論です。 ミシガン大が発表する「期待インフレ率」とはどういうもので、数字的にどんなインパクトがあるのか、なぜこれが重要な指数になっているのかについて説明します。 重要指数 ミシガン大学消費者信頼感 ...

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2022/5/24

景気後退来る!米国で起こっている異変と訪れる絶好の買い場とは

米国の景気悪化懸念が高まっています。さまざまな指標をもとにその異変をまとめるとともに、今後起こりうることについて解説します。最後に、いつ絶好の買い場が訪れるのかについても言及します。 経済を犠牲にしてもインフレを押さえ込む アメリカの消費者物価指数は4月+8.3%となり、+8.5%となった3月よりその伸び率が鈍化しました。 ウクライナ危機に伴うエネルギー価格の高騰が4月に入り落ち着きを見せた格好ですが、中国のゼロコロナ政策の副作用であるサプライチェーンの分断の影響も大きいうえ、ロシアとウクライナの戦争は長 ...

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2022/1/9

2022年投資妙味のあるセクターは?金利上昇でなぜ株価は下がり、バリュー株が有利になるのか

2022年の最初の5日間は、猛烈な金利上昇で、2021年12月末日比較で、ナスダックは4.5%減、S&P500は1.87%減となった一方、ダウは-0.29%減に止まりました。なぜこのようなことが起こったのか?そして金利上昇局面でグロース株中心のナスダックはなぜめちゃめちゃにやられて、成熟したバリュー株であるダウは底堅いのかを説明し、本稿執筆時点で2022年に投資妙味がありそうなセクターを解説したいと思います。 利上げでグロース株が不利になるメカニズム 2021年後半からの猛烈なインフレを抑え込むた ...

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2021/9/20

インフレ+成長鈍化 米経済はスタグフレーション入りか?株価どうなる、対策は?【スタグフレーションとは】

米国経済で、景気回復の鈍化懸念が高まっています。新型コロナウイルス(コロナ)の感染者数の高止まりと世界的なサプライチェーンのボトルネックが解決されないことによる供給不足と燃料高に伴う原価高…… 米経済は「スタグフレーション」(Stagflation)に入るのではないか、と懸念する声も債券などを中心に市場関係者の間で高まっています。スタグフレーションとは何でしょうか。どんな問題があるのでしょう。そしてスタグフレーションに入るとしたら、われわれは投資戦略をどうすべきでしょうか。 スタグフレーションとは スタグ ...

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2021/9/9

日本のEC化率急上昇 スーパー、ドラッグストア、コンビニのEC戦略を一気まとめ

日本の人口が減り、消費量が落ちていくなか、今後も増え続けるのがEC化率とEC売上高です。とくにまだEC化率3%程度の食の市場を中心に伸び代が極めて大きいです。今回、ECを切り口に、小売・ITセクターの有力業態の動向をまとめました。今後の銘柄選びの参考にしてください(今後、EC周りの成長セクターやETFなどを紹介したいと思います)。 国内EC市場の拡大と今後 経済産業省が2021年7月に発表した、国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)は19.3兆円で前年が19.4兆円だったのでほぼ横ばいとなりました ...

米国 経済・マーケット分析

2021/8/29

無風の「ジャクソンホール会議」後、株価はどうなる?行方を左右する4つの要因とは

テーパリング時期が明言されるかどうかが注目された2021年8月27日のジャクソンホール会議。2013年のパーナンキショックをトラウマに持つだけに、FRBパウエル議長は、今回会議を「無風」で乗り越えることにしました。では9月以降、米国株式マーケットはどのようになっていくのか、注意点を考察してみました。 テーパリング発表時期は11月が濃厚?9月21日? FRB、パウエル議長による講演は、米経済は力強く回復したものの引き続きデルタ株が直近のリスクであることに変わりはなく、「テーパリングは年内開始」以上のものはな ...

米10年債利回り、どこまで下がる?

経済・マーケット分析

2021/7/9

米国債利回りどこまで下がる?利上げ懸念なのに下落する理由とは 国債利回りと国債価格、金利を正しく理解する

2021年7月6日(NY時間)、米10年債利回り(米国債10年利回り)は前日比で一気に0.08ポイントも下落し、1.351%まで低下しました。その翌日にはさらに1.319%まで下がりました。 米10年債利回りはどこまで下がるのでしょうか。早ければ来年から利上げが始まるとされているのにいま下落する理由はなんでしょうか。米国債券利回りと金利、国債価格の関係を正しく理解するために解説したいと思います。 なぜ米10年債利回りが大事なのか? なぜ国債の10年利回りが大事なのでしょうか。それは、金融機関が民間や個人に ...

ウォーレン・バフェットが納得した理由がわかる!ヌーバンクのビジネスモデルとは

未上場企業 経済・マーケット分析

2021/6/15

バークシャー・ハサウェイが巨額出資!デジタルバンク・Nubankのスゴいビジネスモデルとは 

2021年6月9日、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hatahway, BRK.B)がブラジルのNubank(ヌーバンク)に5億ドル出資することがわかりました。世界最大とも言われるデジタルバンクのヌーバンクには孫正義率いるソフトバンクグループも投資しています。非上場企業ですが、いずれ上場をめざすとしているヌーバンクとはどんな会社で、どんなビジネスモデルなのか、どこまで成長するのか、なぜ世界中の投資家が注目しているのか、さらには仮想通貨との関連性についても解説してい ...

米国 経済・マーケット分析

2021/5/31

金融緩和、終わりの始まりで米国株価の行方は?前回テーパリング時はどこまで下がった?

金融緩和、終わりの始まり こんにちは。2021年5月は10日〜12日までの3日間で米国株価は大きく下落しました。消費者物価指数の高まりなどを背景に、いよいよ金融緩和終わりの始まりがはっきり見えてきた印象です。空前の金融緩和を背景とする株高・資産バブルは、いずれテーパリング(量的緩和による金融資産買い入れ額の縮小)によって終わりを迎えるわけです。 「その時期がいつか」は誰にもわからないから、マーケットは一喜一憂しながら疑心暗鬼になり過敏に反応しています。2021年5月のいま、マーケットの感応度はかなり高いか ...