今回は、こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
・どう言う基準でETFを買うべきかを解説=リスク許容度とニーズ
・リスク許容度・ニーズ別に7種・12ETFを紹介
・それぞれの直近、短期、長期の行方を数値化して買うべき銘柄を見える化
急拡大するETF 理由は手軽だから
ETF(上場投資信託)の人気がとどまるところを知りません。分散されているため、個別銘柄よりもボラティリティが低く、個別銘柄を研究する必要もないので、誰でも手軽に買える点が大きいです。
ETFとは?という方は下の記事をご覧ください。投資信託との違いを中心にまとめてあります。
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昨年の2020年はETFが歴史的な急成長を遂げた年に
Statistaが発表した、アメリカにおける2002年から2019年までのETFの総資産高の推移を見てみると、リーマンショック時などを除き、ずっと右肩上がりであるだけでなく、その総資産高が飛躍的に伸びていることがわかります。2011年から19年までの8年間で約4倍、15年から19年までの4年間で2倍強に増えています。
2019年のETF総資産高は4兆3960億ドル、コロナショック後投資熱が加熱したこともあり、2020年はそれを大幅に超え、ETF.comによれば、2020年9月の時点で4兆9000億ドルに達しており、ETFが歴史的な急成長を遂げた1年になったことは間違いなさそうです。
ETFが人気の要因を一言で言うと、「楽でさまざまな人の投資ニーズを満たすから」です。
さまざまなマネープランに合わせた多様なETF
人は、さまざまなマネープランを持っています。手堅くいきたい人、大きなリスクに晒されても大きなリターンを得たい人、投資期間が50年ある人、10年しかない人、配当金で生活費をまかないたい人、、お小遣いの範囲内で毎月コツコツ投資したい人・・・
そうした人のニーズに合わせ、金融商品としてのETFは発展し、その本数も増えてきました。現在では、日本の証券会社から買えるETFだけで約4000本となっています(マネックス証券の場合)。
あなたが買うべきETFの条件とは
では、どのETFを買えばいいのでしょうか。
基本は、自身のリスク許容度に合わせて、最適な銘柄を選ぶ、あるいは組み合わせるのがいいでしょう。
その上で、例えば同じ指数をベンチマークするETFの場合は、経費率が低い、出来高(売買高)が多いETFを選ぶと良いでしょう。
例えばS&P500をベンチマークするETFには、
SPDR S&P500 ETF (SPY) ()内はティッカーシンボル、以下同
バンガードS&P500ETF (VOO)
がありますが、いずれも経費率の低い人気銘柄なので、どちらを選んでも一緒です。
以下にリスク許容度別・投資対象別に7タイプの全12ETFを挙げました。
リスク許容度 | ニーズや希望 | 投資対象 | 第1候補 | 第2候補 |
高い | ハイリターンを狙いたい | レバレッジ | SPXL | |
やや高い | GAFAM中心に買いたい | グロース | QQQ | VUG |
普通 | バランスよく増やしたい | S&P500 | VOO | SPY |
普通 | 程よく分散させたい | 米国市場全体 | VTI | SPTM |
普通 | 米国以外も入れたい | 全世界 | VT | |
やや低い | 配当収入を得たい | 高配当銘柄 | VYM | SPYD |
やや低い | 配当収入を増やしたい | 増配当銘柄 | VIG | DGRW |
選び方としては、リスク許容度が「普通」の場合、
・バンガードS&P500ETF (VOO)
・バンガードトータルストックマーケットETF(VTI)
・バンガードトータルワールドストックETF(VT)
の大きく3種類となりますが、実際問題、リターンはさほど変わりません。どれも優秀な銘柄です。米国以外も欲しければVT、S&P500だけに限定したければVOO、それ以外であればVTIにすれば問題ないと思います。
ただVTの場合は、今後も欧州でのコロナリスク、経済の長期低迷等があるので、わざわざ選ばなくても良いかなと個人的には思います。
基本的には7タイプから選んだら、その第1候補を買えば問題ないです。第2候補も基本類似しているのでほぼ同じだと思って良いです(VTIとSPTMはちょっと違いますが、リターンという差はさほど変わらないです)。
7ETFのリターンと今後の予想
次に7ETFのコロナショック期間のリターンを確認してみましょう。各ETFのざっくりとした特徴が見えてきます。
コロナショック直前に買って、最もリターンが高いのはQQQ
コロナショック直前の20年2月に10000ドルを購入して、21年5月時点でその資産はいくらになっているか(配当は自動再配当)、そしてコロナショック後20年4月に10000ドルを購入したとして、21年5月時点でその資産はいくらになっているか(配当は自動再配当)をPortfolio Visualizerを使って試算しました。
銘柄 | 最終残高 2020/02購入 | 最終残高 2020/04購入 |
SPXL | 15113 | 38000 |
QQQ | 15535 | 17836 |
VOO | 13253 | 16473 |
VTI | 13552 | 17111 |
VT | 12996 | 16432 |
VYM | 11830 | 15171 |
VIG | 12481 | 15066 |
その結果、コロナショック直前の場合は、インベスコQQQトラスト・シリーズ1( QQQ)が1位となりました。とくにコロナショックでの落ち込みが小さかったことが奏功しています。QQQの特徴、銘柄構成、強み弱みについては以下でまとめてあります。
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最もリターンが低いのがバンガード・ハイディビデンド・イールドETF(VYM)という結果になりました。
一方、コロナショック後の4月に購入した場合は、投資資産がなんと3.8倍となったディレクションデイリーS&P500ブル3倍ETF(SPXL)の圧勝となりました。これは3倍レバレッジ型ETFですので、短期間に素直に上がり続けたこの1年の株価ではとても有利に資産を増やすことができました。
レバレッジ型ETFのメカニズム、メリット・デメリットについては以下の記事で確認してください。
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[SPXL]VOO比較で、3倍レバレッジ型ETFのメカニズム、メリット、デメリットを正しく理解!適切にポートフォリオに組み込む方法とは
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直近、今下期、長期の見通しをそれぞれ10段階評価
コロナ時期の結果、テーパリングについて秋ごろに何か言及がなされそうな今下期、そして今後数年(特に大きな事件がない前提)という3つのタームでざっくり実績と見通しを10段階評価しました(数値は1がとても悪い、10がとても良いの10段階評価)。
主な銘柄 | コロナ時期の結果 | 今下期の見通し | 長期の見通し |
SPXL | 8 | 4 | 8 |
QQQ | 8 | 5 | 7 |
VOO | 7 | 6 | 7 |
VTI | 7 | 6 | 7 |
VT | 7 | 5 | 7 |
VYM | 5 | 7 | 6 |
VIG | 6 | 6 | 6 |
QQQはメガテックの比率が高いので、今下期多少ネガティブ要素が強いと見ているので、購入タイミングはある種の調整局面だと思いますが、それ以降の株価は、景気の腰折れがない限り、堅調に推移するものと思います。何より、メガテックにヒトモノカネが集中するので長期ではとても強いと思います。
リスク許容度がやや低い人は、基本はVYMで着実に目に見える形の配当金を得ることで、株価下落局面でも精神に余裕を持って投資を続けられると思います。
ということで、自分のリスク許容度を測るのが第一。その範囲内で、今回挙げた銘柄を選べば、大きな問題や後悔はないと思います。
では。