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分配利回り5.6%で年間リターンは20%超!QYLGの特徴とメリットと買い方、「まさかの秘密」とは

11月から新たに日本のネット証券でも購入できるようになったETFにQYLG(グローバルX NASDAQ100・カバード・コール 50 ETF)があります。QYLD(グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF)と似たお名前のこのETF、QYLDでは不満だったある点を解消した面白いETFです。QYLGの概要と特徴、メリット、デメリット、リスク、そして買い方に至るまでを解説していきます。

高配当と高リターンを両立するQYLGとは

大人気の超高配当ETF、QYLD。このQYLDと同様、ナスダック100指数をターゲットにカバード・コール戦略を行い利益を積み上げるのが今回紹介するQYLGです。

ご存知ナスダック100は、ナスダック市場上場銘柄のうち、金融セクターを除く上位100銘柄の時価総額を加重平均して算出した指数。このナスダック100指数に連動するETFとしては、こちらも超大人気のETF、QQQ(インベスコQQQトラスト・シリーズ1)があります。

そのため、当然のことながらQYLGも、QQQ、QYLDと構成銘柄は一緒です。

QQQについては以下の記事をご覧ください。

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また、QYLDについては、以下の記事をご覧ください。基本的に今回解説するQYLGは、QYLDの「亜種」とも言えるETF。QYLDの仕組みをまず理解してから、QYLGの詳細について読んだ方が、話は早いです。

超高配当に騙されるな!QYLDの仕組み、リスク、VYMとの比較、買い方を徹底解説!

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QYLGの概要とは

以下が、QYLGの上位10銘柄の最新構成比(21年12月10日時点)です。

1 アップル 12.38%
2 マイクロソフト 10.73%
3 アマゾン 7.54%
4 テスラ 5.35%
5 エヌピディア 4.97%
6 アルファベットC 4.12%
7 アルファベットA 3.78%
8 メタ 3.37%
9 アドビ 1.96%
10 ネットフリックス 1.76%
10銘柄計 55.96%

これは、QYLDと全く同じです。

次に、QYLDと比較したQYLGの概要を見ていきます。

QYLG QYLD
銘柄数 103 103
ファンド総資産(10億ドル) $0.05 $5.6
上位10銘柄構成比 55.96% 55.96%
経費率 0.60% 0.60%
直近配当利回り(税込) 5.61% 11.58%
年間平均リターン(1年) 21.67% 11.95%
年間平均リターン(3年) - 10.34%
年間平均リターン(5年) - 11.15%

当然銘柄数も同じですが、経費率も同じ0.6%です。一方、大きく異なるのが年間配当利回りと年間リターン。

QYLGはスタートしてからまだ1年ちょっとと若いETF(設定は20年9月18日)のため3年、5年平均の実績がありません。

それでも、QYLDと比べればその違いは明らかです。配当利回りがQYLDの約半分の5.61%に抑えられている一方で、年平均リターンは21.67%と約2倍の水準なのです。

QYLGはどんなETFなのか?カバード・コールとは

では、QYLGは一体どんなETFなのでしょうか。

ここで、改めてカバード・コールについて説明します。カバード・コールはコールオプション の一種です。
詳細な説明はすでに上の方で説明したQYLDのページを読んでください。ここではオプションの基本が分かっているものとして、まずはコールオプション について、「オプションの買い手」と「売り手」に分けて説明します。

コールオプションの買い手は、価格が上がることを予想し、実際に価格が上がったとき上限なしに利益を得られる代わりに、オプション購入代金を売り手に支払うものです。
一方コールオプションの売り手は、価格が公使価格を上回った時は、損失が無限大となる一方、オプション販売代金を手にすることができます。

「カバード・コール」は、現物資産を保有しているのが特徴。現物資産が公使価格を上回った時に、保有資産を権利行使価格で売却できるため、損失が無限大とはならないのです。
したがって、権利行使価格以上の値上がり益を放棄する代わりに、オプションプレミアム(オプション販売手数料)を受け取るのがカバード・コール戦略というわけです。

カバード・コールの特徴を改めて説明すると、以下の3パターンとなります。

カバード・コールの特徴

1 株価が行使価格を上回ったとき、値上がり益を放棄する代わりに、オプションプレミアムで利益を積み上げる

2 株価が行使価格内で上がったとき、値上がり益を全て得られ、さらにオプションプレミアムも獲得できる

3 株価が下がった時は下がった分だけ損失が拡大するが、オプションプレミアム販売分だけ、損失が軽減される

要はカバード・コールは、オプションを活用して、ボラティリティを積極的にコントロールして和らげようという戦略です。

カバード・コール「50」って何だ?

いよいよQYLGとQYLDの違いに迫ります。両者の違いは、名称の上ではカバード・コール 50の「50」がついているかどうか。そしてこの「50」が2つの違いを言い当てています。
QYLDはフルカバーしている一方で、QYLGは対応する同一指数の50%をコール・オプションで売却するものだからです。

つまり、QYLGは保有資産の50%に相当する分をカバードコールの対象にしつつ、それ以外は普通にナスダック100を運用していると考えられます。

カバード・コール50の本質はまさかの・・・

それっともしかして??、え、まさか??

勘が良い人は気づいたかもしれません。

ご想像の通りです。QYLDとQQQを半分ずつ買えば事足りてしまうんです。

実際、Portfolio Visualizerを使って、QQQとQYLDの割合を50:50にして、擬似QYLGを作り、これをQYLGと比べたところ、ほぼ同じ結果となりました。

QYLDとQQQを半々で保有するとQYLG状態になる

実際運用する分には、両者の値上がり幅が違うのでアセットアロケーションをし続けるのは面倒だと思います。が、あまり細かいことを気にせず、QQQとQYLDを同額ずつ買っていけば、QYLGになっているというわけです。

一方で、QQQの経費率は0.2%ですから、QYLD+QQQの経費率は0.4%となります。QYLGよりも0.2%ポイント低いわけなので、面倒さと相殺できるかどうかがポイントになるでしょう。

では、QYLGは買うべきか?

このように考えると、あえてQYLGを買わずとも、QQQ+QYLD作戦で事足りると私は思います。

ただ、「2つを買うのが面倒」「ポートフォリオをシンプルにしたい」「株価が高止まりしたり急騰が多いQQQは、値下がり時に買いたいので、心理的には定期的に買いにくい」といった人もいるでしょうから、その場合は、QYLGだけを買うというのも良いと思います。

いずれにせよ、年間20%のリターン、うち5.6%の配当利回りを得られる(2021年)QYLGのコンセプトはとても素晴らしいと私は思います。実際にその銘柄を買っても良いし、そのコンセプトだけ拝借するのも良いと思います。

私も定期的にQYLDとQQQを買っているので、擬似QYLG戦略を進めていきたいと思っています。

  • B!