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最強?やめとけ?買い時はいつ?楽天レバナス ナスダック100の買い方を徹底解説

2021年11月28日

2021年11月17日より、楽天レバレッジ NASDAQ-100(通称、楽天レバナス)がスタートしました。レバレッジについて正確に押さえるとともに、この楽天レバナスの特徴、メリットとデメリット、買い方、買い時について解説します。

レバナスとは〜絶好調レバナス、楽天も開始!〜

かねてから、Twitter上では大人気だったレバナス。これは大和アセットマネジメントが運用していた大ヒット商品、iFreeレバレッジNASDAQ100のことです。NASDAQ100指数の2倍程度の値動きを目指すリスク(ボラティリティ)の高い投資信託です。

iFreeレバレッジNASDAQ100は2018年10月19日を当初設定日とする比較的若い投資信託ですが、下表(出所:大和アセットマネジメント)を見て分かるとおり、コロナ後のテック系株価の冒頭に上手く乗った形で、設定来291.1%増というとんでもないキャピタルゲインを実現しています。それに伴い、ファンド純資産総額もうなぎ上りで、コロナショック時は100億円程度でしたが、20年夏頃に250億円を突破、21年冬に500億円突破、その後も急激に伸ばして、21年10月29日時点で1492億円まで増えている、急成長投資信託です。

この人気にあやかって、楽天投資顧問も遅ればせながら、ナスダック100指数の2倍程度の値動きを目指すレバレッジ型の投資信託を開始したというわけです。

ナスダック100とは

ナスダック100とは、ナスダック上場企業のうち、時価総額の大きくかつ金融以外の企業100社を集めたものです。

つまり、アップル、マイクロソフト、アマゾン、テスラ、メタ(旧フェイスブック)などのGAFAMを中心とした超巨大かつ成長性の高い超大型株だけを集めたものになります。

このナスダック100指数に連動した成果をめざすETFが、ご存知「インベスコ QQQトラストシリーズ1」(ティッカーシンボル:QQQ)です。この5年間の年平均リターンが26%というものすごいリターンを叩き出している人気ETFです。

QQQについて詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

最強のETF?いまインベスコQQQに資金が流入する理由といまから買うべきではない理由 5年のリターンは平均25%

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“レバレッジとは” レバレッジを正しく理解する

次にレバレッジを正しく理解するために、レバレッジについて詳しく解説していきます。

レバレッジ型とは、元になる指数に一定の倍率をかけた値動きをするように設計された金融商品です。

ただ、毎日の取引において、「一定倍率値動きするように設定されている」のであり、1年後のリターンが必ず●倍になるわけではありません。

レバナスは2倍なので、2倍だとして以下の礼を考えてみます。

元になる指数が+5%、+10%、+2%で推移したとします。

その場合、+17.81%となります。

一方2倍のETFは、+10%、+20%、+4%なので合計、+37.28%となりました。つまり2倍以上になりました。これは複利効果によるもので、これが仮に全てマイナスだった場合、-37.28%になります。

次にマイナスとプラスが交互に来る場合を考えます。

元になる指数が-5%、+10%、-5%で推移したとします。

この場合-0.725%となります。

一方2倍のETFは-10%、+20%、-10%で推移するので合計-2.8%となります。

元の指標がほぼ100に戻った一方でレバレッジの方は目減りしていることがわかるでしょう。

レバレッジの仕組み

2倍レバレッジETFは純資産が100億円だとすると、その2倍の200億円の資産になるように先物を持っておき、指数の2倍の値動きを実現します。例えば5%値下がりした場合、先物も値下がりするので10億円の損害が出ます。この分だけ純資産が減るので90億円となります。この時先物は190億円持っていることになりますが、翌日も2倍の値動きを実現するためには先物を180億円あればいいので10億円売却するわけです。つまり、下がっている時にもかかわらず強制的に売りを入れなければならないわけです。

一本調子で上がり続けるなら、2倍の値動をするために、足りない先物を毎日事前に買っておくことになります。つまり、当日値上がりする前に変えているわけですから、毎日上がり続ければその分だけ2倍以上のリターンを得ることができます。

レバレッジのデメリット

一方、株価が上がったり下がったりを繰り返す場合は、今日値上がりして明日値下がりする場合、

今日:値上がり、明日の値動きが2倍になるように高い状態で先物を買う

明日:値下がり、明日の値動きが2倍になるように安い状態で先物を売る

を繰り返すことになります。つまり、冷静に考えると、売りたくない時に売って、買いたくない時に買って、を繰り返していることに等しいわけです。

レバレッジ型は上げ一本調子の時に大きく伸びる一方で、上げ下げを繰り返すときは純資産を目減りさせてしまう性質があります。だから、上げ上げ局面を狙うのがレバレッジの本質です。したがって、長期で持ち続けるのはレバレッジ型投資の本質からは外れることをお忘れなく。

レバレッジについてもっと詳しく知りたい人は以下をご覧ください。

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レバナスの概要とリターン、今後の方向感

レバナスは、ナスダック100銘柄に集中投資し、かつ2倍のレバレッジをかける点にあります。ナスダック100の先物をあらかじめ2倍の量持っておき、その日の上げ下げに応じて、先物を売り買いして、1日の2倍の値動きを実現する金融商品です。

最強!レバナスのリターン

レバナスのリターンを見ていきます。

iFreeレバレッジNASDAQ100のリターンと元指数であるナスダック100のリターンは、以下の通り(2021年10月29日時点)。

リターン レバナス ナスダック100
年初来 +45.3% +22.8%
1年間 +84.1% +39%
3年間 +325.2% +131.7%
設定来 +291.1% +121.7%

18年10月から始まったばかりの投資信託ですので5年間の実績はありませんが、過去3年間で+325.2%という高いリターンを出しています(年平均ではなく3年間のリターン)。この1年間でもナスダック100が+39%であるのに対し+84.1%と2倍以上の成果を出しています。

これはすでに説明した通り、上げ上げ基調によって得られた効果です。

ちなみにコロナショックにより、17000円ほどだった基準価額は8000円台まで落ち込み、その際はナスダック100を下回りましたが、その後の株価回復局面によりあっさり追い抜いて、ナスダック100に対するリターン差を広げながら推移しています。

上位10銘柄とその特徴

次にナスダック100、上位10銘柄とその構成比を確認します。

1位アップルが11.02%、マイクロソフトが9.98%でこの2銘柄だけで20%を超えます。GAFAMにテスラを加えた6社が占める構成比は実に44.98%。GAFAMテスラがレバナスの命運を握っていると言っても過言ではありませんし、過去2〜3年のハイリターンはこの6社の株価暴騰のなせる技です。

今後のナスダック100の方向感

ただ、今後もナスダック100は順調に株価が伸びるのでしょうか。

下図は、上位10銘柄の構成比とPER(株価収益率=株価/EPS)を示したものです。

銘柄 上位10銘柄 PER
1 アップル 11.02% 27.66倍
2 マイクロソフト 9.98% 40.6倍
3 アマゾン 7.83% 82.9倍
4 テスラ 4.53% 1462倍
6 アルファベットC 4.02% 32.59倍
5 メタA 3.81% 64.59倍
7 アルファベットA 3.79% 32.59倍
8 エヌピディア 3.71% 94.9倍
9 ペイパルHD 2.19% 52.46倍
10 アドビ 1.97% 60.52倍
参考 ナスダック100 35.92倍
S&P500 28.81倍

これらがほとんどが急成長型の巨大テック企業ですので、PERはいわゆる一般的な目安とは大きく乖離します。ナスダック100全体の平均PERは35.92倍(出所:Wall Street Journal)ですが、図表内のテスラは1462倍ととんでもない倍率になっているし、ナスダック100平均を下回る企業は上位10社ではアップル(27.66倍)とアルファベット(32.59倍)しかありません。それ以外は大きく期待先行で進んでいます。

そのように考えると、ナスダック100自体S&P500と比べると買われすぎの傾向があるなかで、どこまで株価が上がる余地があるのかを考えざるを得ません。

加えて、メガテックの独占に対する警戒は各国で強まっています。フェイスブックやアマゾンに対する分割論が出ているように、GAFAMに対する規制は今後強くなる一方。株価上昇に対して、大きなリスク要因となっています。

またテスラ にしても、長期間にわたってこの途方もないPERをマーケットは容認できません。期待先行が行き過ぎているともいえるので、失望が広がった時の評価見直しは相応のものになると考えられます。

そう考えると、ここから先の成長ストーリーは必ずしもこれまでのような急成長ではなくなると考えるのが自然ではないでしょうか。

ifreeと楽天レバナスの違い

さて、ifreeレバナスと楽天レバナスの違いはあるのでしょうか。

基本的に同じ商品なのですが、1点だけ違いがあります。

下図を見て欲しいのですが、管理費用が若干楽天レバナスの方が安いという特徴があります。そう考えると、とりあえずは楽天レバナスにしておけばいいと思います。

楽天レバナス ifreeレバナス
純資産 101億円 1789.億円
為替ヘッジ フルヘッジ フルヘッジ
管理費用 0.77% 0.99%
購入単位 100円以上 100円以上
NISA口座 可能 可能
つみたてNISA 不可 不可
手数料 なし なし
販売会社 2社 21社
楽天証券 取扱あり 取扱あり
SBI証券 取扱なし 取扱あり
マネックス証券 取扱なし 取扱あり
松井証券 取扱なし 取扱あり
DMM株 取扱なし 取扱なし
LINE証券 取扱なし 取扱あり

ただし、ifreeレバナスはイオン銀行、PayPay銀行からSBI証券、楽天証券、マネックス証券、LINE証券、auカブコム証券まで21社が取り扱うため、大手ネット証券を使っている人であれば、誰でも利用することができます。

一方楽天レバナスは現時点で、楽天証券と三井住友信託銀行の2社のみ。楽天証券ユーザー以外は実質的に使えない点がデメリットです。

楽天レバナスは買うべきか?

すでに書いた通り、ここまでナスダック100の株価が上がった後だと、PERをみても20年4月以降のコロナショック後と同じリターンが出ることはまずありません(大きなショックがあって下がった後であれば当然あり得ますが)。

しかし、それでも米国株投資をしている人は、米国株式市場が今後も成長すると考えているはずです。そこに賭けている以上は、時価総額の大きなナスダック100が伸びることが前提になります。したがって、ナスダック100に投資することは、合理的だといえるわけです。

楽天レバナス、買うなら買い方は?買い時は?

ただし、すでにレバレッジの項で書いた通り、マーケットが上げて下げてを繰り返すときは、資産の目減りを誘発するだけ。今後の展開は一本調子では進まないと思うので、それでも買うのであれば、資産効率面を重視する人や重視する買い方(少ない元手でリターンを得る)が良いと思います。

となると、

  1. 思い立ったが吉日で一気にスポット買い付け
  2. 自分にとって痛くない範囲内で定期買い付け(積みレバ)
  3. 大きな調整局面を狙ってスポット買い付け

のいずれか、もしくは合わせ技になってくると思います。

レバナスはリスク(ボラティリティ)が大きいので、自身のリスク許容度に応じて買うのが良いでしょう。

例えば、毎月2万円までであれば、仮に大きく目減りしても許容範囲だとするなら、その金額で定期買い付けするのが良いでしょう。

例えば年間24万円を投資していくとすれば、年平均10%で20年間投資を続ければ1500万円まで増やすことができます。年50万円であれば総投資額1000万円で20年後3150万円になります。

もちろんこれは机上の空論ですが、ナスダック100が年間5%ずつリターンを出していれば、レバナスはおおよそ7〜12%程度のリターンは得られるはずです。ナスダック100が10%ならレバナスは15~25%程度。

であればレバナスでボラティリティを取る一方で、ポートフォリオ全体のリスクをコントロールしてはいかがでしょう。月10万円投資する人ならレバナスを1万円、月20万円の人なら2万円レバナス に投資するーー 資金投入額ベースで、自身のポートフォリオの1〜2割程度であれば、誰でも精神的な安定を保ったまま投資し続けられるのではないでしょうか。長期保有・長期投資はレバレッジ型金融商品の基本には反するものですが、自身のコントロール範囲内であれば問題ないのではないでしょうか。

レバナス一括大型投資をする人もいますが、それはその人たちの持つ相場観とリスク許容度に従って投資しています。その人たちにとってはそれが正しいやり方なのです。一方、リスク許容度が小さい人は、ムリしてマネをするのは危険だと思います。自分に合った買い方をしてくださいね。

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