こんにちは、かぶうさです。今回はETFの人気銘柄であり私もメーン銘柄の1つにしている「VTI」(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)について解説したいと思います。よくS&P500との連動をめざす「VOO」(バンガード・S&P500 ETF)と比較されますがどちらを買うべきなのか、どちらも買うべきなのかについて考察します。
なお、ETFとはExcahnge Traded Fundの略で、上場投資信託のことです。まずETFの詳細と投資信託の違い、そのメリットとデメリットについて知りたいという方は、この記事をご確認してから本記事をお読みください。
VTIとは、CRSP USトータルマーケットインデックスとの連動めざすETF
さて、「VTI」とはティッカー(日本株式の銘柄コードにあたる、個々の銘柄を区別するためのアルファベットで表された記号)で、正式名称はバンガード・トータル・ストック・マーケットETFと言います。
VTIは、CRSP US Total Market Indexに連動することをめざした商品で、米国株式市場全体をカバーしたものです。CRSP US Total Market Indexは日本語ではCRSP米国総合指数と言われます。
ちなみにあまりCRSPという名前は聞き馴染みがないかと思いますが、Center For Research in Security Prices,LLCの略称で、日本語ではシカゴ大学証券価格調査センターと言います。CRSPは、知り合いにも卒業生が何人かいますがファイナンスに強いスクールとして有名なシカゴ大学MBA(Booth)の研究センターの1つです。
Nearly 4,000 constituents across mega, large, small and micro capitalizations, representing nearly 100% of the U.S. investable equity market, comprise the CRSP US Total Market Index.
Center For Research inSecurity Prices,LLCより
〜米国で投資可能な株式市場のほぼ100%をカバー、大型から小型株まで米国で投資可能な約4000の銘柄がCRSP USトータル・マーケット・インデックスを構成〜
S&P500が500銘柄ですから、それと比べるとCRSP USトータル・マーケット・インデックスはかなり広範に渡りますね。まさにアメリカ市場に投資する、といっても過言ではないです、分散投資としても十分です。
総資産規模1兆ドル超えの巨大ETF 上位銘柄の顔ぶれはVOOと・・・
では、このCRSP USトータル・マーケット・インデックスをベンチマークとするVTIとは一体どんな銘柄なのでしょうか。
ティッカー | VTI | VOO |
銘柄数 | 3669 | 509 |
ファンド総資産 | $1,100 | $658.3 |
上位10銘柄構成比 | 22.60% | 28.00% |
外国株比率 | 0% | 0% |
経費率 | 0.03% | 0.03% |
年間平均リターン(1年) | 62.70% | 56.33% |
年間平均リターン(3年) | 17.13% | 16.75% |
年間平均リターン(5年) | 16.66% | 16.60% |
年間平均リターン(10年) | 8.48% | 13.87% |
まず、銘柄数は3669銘柄と改めて非常に分散されています。総資産規模も1兆ドルを超えており、これはよく比較されるS&P500指数をベンチマークとするVOOと比べて約1.7倍の大きさです。
どんな銘柄で構成されているのかといえば、上位10銘柄は、実はVOOと全く同じ、構成比が微妙に異なるだけです。VTIの方がより分散されているため、各銘柄の構成比が低く、例えば構成比共にトップのアップルはVTIが4.7%であるのに対して、VOOは6%となっています。
ティッカー | VTI | VOO | |
1 | アップル | 4.70% | 6.00% |
2 | マイクロソフト | 4.50% | 5.40% |
3 | アマゾン | 3.30% | 4.10% |
4 | アルファベット | 3.00% | 3.70% |
5 | フェイスブック | 1.60% | 1.90% |
6 | テスラ | 1.30% | 1.60% |
7 | JPモルガン・チェース | 1.10% | 1.40% |
8 | バークシャー・ハサウェイ | 1.10% | 15.00% |
9 | ジョンソン&ジョンソン | 1.10% | 1.30% |
10 | ビザ | 0.90% | 1.10% |
ではリターンはどうなのかというと、この1年のリターンは62.7%とVOOをアウトパフォームしています。3年間の平均リターンはVTI17.13%に対し、VOO16.75%とほぼ拮抗。5年で見てもほぼ大差はないですね。
結論 VTIとVOO、どちらを買うべきか?
次にポートフォリオ・ビジュアライザーを使って2つの銘柄を分析してみます。
2014年4月から2021年4月まで毎月3000ドルずつ購入していき、配当金を再投資に回すと、、
ものの見事に一致していますね。大差ないです。年ごとに微妙に違いは出ますが、結果は変わらず。ということで、VTIとVOOを持つなら、どちらでも良いという結論になってしまいますね。逆にいうと、VTIとVOOを両方持つ必要性は見当たらないということになります。
私も最初はVOOを買った時期がありますが、いつの日からかVTIにシフトしています。大きく分散されていて、リターンも経費率もVOOと変わらないのであれば、総資産の大きなVTIにしておけば間違いはないと思います。
最も大事なことは続けること
とはいえ、一番大事なことは毎月3000ドル(33万円)ずつVTIを買っていけば(今後もそうである保証はもちろんありませんが)、7年で約5000万円の金融資産が作れるということですね。入金し続け、投資し続けることが何よりも大事なことだと、改めて私も気持ちを新たにしました。